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オルターキャスティング

   

顧客にもチームにも誇れる役割を与えるブランド設計

オルターキャスティングとは本来、目的達成のために、際立てた役割を適任者に持たせることで、能動的に行動させる手法です。例えば、就職の面接で「新規事業の専任スタッフがおらず、あなたの知見とスキルが必要なんです」と言われて採用された場合、はりきってしまいますよね?

この背景には、大事な場面において、あなた以外に役割を担える人がおらず、適性を判断された上で任命されたという評価が、使命感と責任感を生み出しています。(「一人退職するから穴埋めで入ってね」とは大きく違ってくるはずです)

このような明確な役割分担を、自社ステークホルダー(顧客、協力者、スタッフ、求職者など)の各々に定義していきます。その集合体としてAll Winになる設計を施すことではじめてCSV(共通価値の創造)やパーパス経営などが機能しはじめます。

ブランドは自社所有物ではなく市場の中での共鳴資産です。シンパシーを感じた人々が「誇れる役割」を得て、ブランドのムードを構築していく。そんなブランディングにおいてのオルターキャスティング活用方法をご紹介していきます。

オルターキャスティングとは

オルターキャスティングの2つの手法

オルターキャスティングには、以下2つの手法があります。

手法1) マンデッド オルターキャスティング:該当能力のある対象者に対して適切な役割を任命し、使命感をもってもらうこと。

手法2) タクト オルターキャスティング:誰かの言動や状況変化により、対象者が自ら役割に気づき、使命感を持ちはじめること。

ここでの活用方法としては、ブランディングの一環として、企業とステークホルダーの社会的役割を情報設計し、伝わりやすくすることで市場にムードをつくり出し、求める行動を促します。

ブランド意義の共鳴に活用

冒頭に記したように、オルターキャスティングの本来の意味は、「目的達成のために、際立てた役割を適任者に持たせることで、能動的に行動させる手法」です。これをブランド意義の共鳴に結びつけるために、「共通目的達成のために、ステークホルダーと適切に役割分担し、各々が誇りをもって行動する手法」と変換します。

社会は運命共同体です。全体の共通ビジョンにおいて、自社の社会的役割をチームで理解しておく必要があります。同時に相関図などを用いてブランド全体の方向性と各自の関係性を可視化していくことが重要です。A3一枚程度で全体を網羅できる情報に集約することで、誰でも直感的にブランド意義を理解できるようにデザインしていきます。

オルターキャスティングの現代活用方法

簡略図で表すと上記のようになります。昔のような「売り手と買い手」の関係は終わり、共感共鳴する人と組織で「すばらしい未来」をつくっていくという概念が基本設定となります。

企業側=地域社会と顧客をつなぐ役割

自社の社会的役割を定義し浸透させることで、共鳴する同志が現れはじめます。企業としては、該当分野の代表役を担い、地域社会と顧客をつなぐ活動・取り組みを行います。

顧客側=意義をもって選択する人

企業は顧客をリードする立場であるべきだと考えます。その場合、これまでのように「商品買ってよ」「課題を解決してあげるよ」という対極の立場ではありません。理想とする顧客を「意義をもって選択する人」として捉え、共鳴しあう構図をつくります。

まとめ

今の時代、商品サービスは表層的な価値だけでは成りゆかず、ブランドの深層部分である社会課題に対するアンサーも含みます。顧客が商品サービスを選択する行為は、そのブランドに賛同していることにつながります。そのため、ステークホルダーを「他」と位置付けるのではなく、共に価値を育んでいく「同志」として共通認識をつくる必要があります。「このブランドを選んだ僕たちは〇〇な人だよね!」を意義あるものにするためにオルターキャスティングを活用してみてはいかがでしょうか。

提案

・チームに何を役割づければ、使命感が高まるのか再考してみよう
・この指とまれをすると、どんな人たちがとまってくれるかイメージしてみよう
・各ステークホルダーにダブりのない役割を与えてみよう
・ブランド共鳴者の合言葉は何かを書き出してみよう

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