第一関門を通過するための設計・デザイン
WEBサイトデザインをおこす際には、基本的には自社のあり方やサービスなどの自己軸と、ポジショニングからの外部軸のもと、設計・構築していきます(スパイスとしてトレンド軸もあり)。主にWEB上で激しく比較検討される業種の場合、ユーザーは複数のサイトをザッと流し見したあとに、気になったサイトをいくつかピックアップした後に選考に入る『第一関門』ステージがあります。ここはかなり直感的且つドライに精査されるステージです。その第一関門に通過するために、デザイン、レイアウト、スタンスなどで選択の確率操作を行います。
例)WEB制作会社の確率操作
「ホームページ制作」も比較検討されやすい業種のひとつです。第一関門の振い落しで10社が比較検討されるとします。この中で第一関門の通過を意識して、デザイン面、レイアウト面、スタンス面で再考してみます。(尚、この土俵自体に上がりたくない場合は、その地域において「ブランディング」や「WEBコンサル」など、大枠のポジショニングから外すことも必要です。)
<デザイン面>
9社がTOPメインビジュアルで、デジタル系の画像・動画(パソコン作業、スマホ、3Dっぽいもの)を採用していた場合、自社も同様のものにした場合、どれも印象に残りづらく思い出してもらえる確率は『1/10』となります。
この場合、例えば人やキャラクターのイラストを用いることで、“あのイラスト”と“その他多数のデジタル系”という図式で『1/2』の確率になります。「そんなこと」程度なのですが、第一関門だとそんなものなのです。ユーザーのその後の会話を想像するとイメージしやすいかもしれません。
<レイアウト面>
多くのサイトは、上部に大きなメインビジュアルが配置されてます。分かりやすく訴求するためには、これが一番無難で効果的なのかもしれません。ただ、フォーマットというものは、統一感を作り出し違和感を無くす効果があるので、逆にこれを利用してレイアウト面で確率操作を図っていきます。
この場合、例えばスプリット(2分割)デザイン、上半分余白からのメインビジュアル配置など、他と異なるレイアウトを用いることで、複数のサイトをザッと見するなかで違和感を残し、手(目)を止まらせ印象付けることができます。
<スタンス面>
多くのWEB制作会社は、「ホームページ安く作ります」「御社の売上をあげます」というスタンスです。そうすると自ずと、イメージやキャッチコピーが同じようなものになってしまい、印象に残りづらくなります。
この場合、アート&文化系、ユニーク系、地域社会貢献系のスタンスを取ることで、選択の確率を変えながらも、自分たちの理想の客層のみを引き寄せることが可能です。ターゲティングにもなりますが、「もっと安くしろ」「もっと売上あげてくれ」客を避けるためにも効果的です。
まとめ
上記は、あくまでファーストインプレッションを印象付け、第一関門を通過するためのものです。その後は細部を吟味され、選択されていきます。デザイン、レイアウト、スタンスなどの各選択の確率をあげながら、絡め合うことができれば、効果的なものになる可能性は高まります。
提案
- 競合他社10社をザッと見し、自社が1/2の選択の確率になる要素を見つけてみよう。
- 1/2の確率要因を見つけ、キャッチコピーやメインビジュアルを再考しよう。
- 1/2の確率と理想のお客さんが好みそうなスタンスを融合してみよう。